熊野神社鬼の修正会(しゅじょうえ)
以下の文章は広報ちくご(平成13年1月号)当時の情報です。
現在、熊野神社「鬼の修正会(しゅじょうえ)」(追儺祭) は、1月4~10日の土曜日に開催されています。
パンパンと爆(は)ぜる竹、夜空を焦がすほど燃え上がる炎、ふりかかる火の粉、さらし姿の若い衆の荒々しい気勢―。1月5日は熊野神社「鬼の修正会(しゅじょうえ)」(追儺祭)の日です。午後10時過ぎ、暗やみの中でなされる大松明(たいまつ)への点火は、何度見てもわくわくするという人は少なくないと思います。長さ約15メートル、直径約1.5メートルもある3本の大松明、どうやってつくられるか知っていますか。
大松明づくりは5カ月前から始まります。前年8月の第1日曜日、熊野地区では各世帯から1人ずつ集まり、竹と杉の枝を切る作業が行われます。松明の先につける杉の枝は、枯れたものを集めるとボロボロと葉が落ちてしまうため、この時期に生(なま)の枝を切って乾燥させておくのだそうです。
そして年明けの1月3日、各世帯から約300人が集まり、本格的な松明づくりが実施されます。芯(しん)になるのが1本の樫(かし)の木と3本の孟宗竹(もうそうだけ)。この周りにたくさんの細めの真竹(またけ)がつけられ、わら縄で巻き止められます。先には乾燥させておいた杉の枝がつけられ、「弾(はじ)き竹」といわれる短く切った真竹が打ち込まれます。「弾き竹」は点火した松明をパンパン弾けさせるためのもので、例年12本、うるう年には13本打ち込まれます。豊作と無病息災の願いが込められています。最後に根元が大きな葛(かずら)で結び止められると、大松明は5日の本番を待つばかりとなります。煙にあたると病気をしないとか、火の粉を浴びると結婚できるとかいわれる大松明の炎。あやかりたい人は足を運んでみてはいかがでしょう。
(昭和44年10月20日県指定無形民俗文化財:広報ちくご(平成13年1月号)から)
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所在地:筑後市大字熊野730