かまど神社社叢(しゃそう)
更新日 2013年02月26日
風格を感じさせる夫婦楠 |
溝口地区のかまど神社境内に茂るクスノキの森が、平成15年6月4日、天然記念物として市の指定を受けました。市内で文化財指定を受けるのは、欠塚(かげつか)古墳以来11年ぶりのことで、天然記念物としてはカササギ生息地(筑後市ほか7市町)、源氏ボタル発生地(溝口・北長田・尾島・津島地区、瀬高町)、水田の森(水田天満宮)に続き、4カ所目の指定となりました。
指定を受けたのは、主に7本の大クスノキで、樹齢は300年~600年と推定されています。そのうち最も大きいものは、楼門前に生い茂る2本のクスノキで、地元の人から「夫婦楠」と呼ばれ親しまれています。長和3年(1024年)に溝口城主・溝口正重によって建てられたかまど神社は、戦国時代には溝口城の馬場だったと言われ、そのときに植えた樹木が基礎となり、現在の森を形作っているとされています。
市教育委員会では、平野地帯にこれほどの巨木が群生していること、また約千年の時を越え美しい景観を保っていること、この地域のシンボルとして、今も地域の人たちから親しまれていることなどを総合的に判断し、この森全体を天然記念物に指定しました。地元の人に愛され、保護されてきたかまど神社のクスノキの森は、これからも市全体で大切に守り継いでいかなければならない「筑後遺産」だと言えるでしょう。