水田天満宮
筑後市にあるお宮といえば・・・。まずここを思い浮かべるという人は少なくないと思います。今回は水田天満宮を紹介します。
水田天満宮は、菅原道真公をまつるお宮で、鎌倉時代の嘉禄3年(1226年)に菅原為長が、後堀河天皇の指示で建てたといわれています。今の本殿は、江戸時代の寛文12年(1672年)に再建されたもので、太宰府天満宮の建築様式が受け継がれた、美しい景観をもつ建物です。
ここは市内一の文化財の宝庫で、参道のほぼ真ん中に建っている「石造鳥居」、本殿裏の柵(さく)内にある「石造狛犬(こまいぬ)」、そのほか「木造火王水王面」「木造獅子頭(ししがしら)」が県文化財に、境内のクスノキなどの樹木が「水田の森」として県天然記念物に指定されています。
奉納される行事にも県無形民俗文化財の指定を受けているものがあります。「千灯明(せんとうみょう)祭」「稚児風流(ふりゅう)」がそうです。毎年8月25日に奉納される「千灯明祭」は、秋の訪れを感じさせる、もの静かな祭りになっていますが、かつては豪華で雄大な火祭りでした。特に仕掛け花火は、戦前、九州第一とまでいわれるほどでした。数十年前までは、男性氏子の裸行(はだかんぎょう)は勇ましく、けんかの絶えない荒々しい祭りとしても有名でした。
菅原道真公の子孫が代々、太宰府から隠居してくるなど歴史的にも重要な場所であり、地域文化をも担ってきた水田天満宮。本殿ももちろん「筑後遺産」です。
(昭和36年4月18日県指定文化財:広報ちくご(平成12年8月号)から)
- 所在地:筑後市大字水田46