羽犬伝説と羽犬の塚
市役所前、山の井交差点、羽犬塚小学校正門南にあるブロンズ像や市民の森公園のモニュメントといえば・・・。そう、「羽犬」です。市のマスコットキャラクター「チク号」もそうです。なんで実在しない動物を筑後市は・・・。そんなみなさんへ、約400年前から語り継がれている「伝説」を2つ紹介します。
ひとつは、昔この地に羽の生えたどう猛な犬がいたというものです。「羽犬は旅人を襲ったり家畜を食い殺したりして住民から恐れられていた。天正15年(1587年)4月、天下統一をめざす豊臣秀吉は薩摩(さつま)の島津氏討伐のため九州に遠征、この時羽犬によって行く手を阻まれた。大軍を繰り出しやっとの思いでそれを退治した秀吉は、羽犬の賢さと強さに感心し、この犬のために塚をつくり丁寧に葬った」。
もうひとつは、九州遠征に羽が生えたように跳び回る犬を秀吉が連れて来たというものです。「その犬は、この地で病気にかかり死んでしまった。大変かわいがっていた秀吉は悲しみに暮れ、それを見かねた家来たちは、その犬のために塚をつくり葬った」。
いずれも「羽犬伝説」といわれている話で、これから「羽犬塚」という地名が生まれたとされています。市は、この伝説をシンボル化し、まちづくりに取り入れているというわけです。歴史的な裏付けなどはない伝承ですが、実は「羽犬の塚」があるのです。どこに・・・。宗岳寺(上町)にです。
(広報ちくご(平成12年9月号)から。一部修正)
- 所在地:筑後市大字羽犬塚521