都市再生整備計画(JR羽犬塚駅周辺地区)
都市再生整備計画(JR羽犬塚駅周辺地区)の概要
計画策定の背景
JR羽犬塚駅周辺地区は、古くから宿場町として栄え、以後、鉄道、バス、幹線道路などの交通の利便性から市の中心市街地として発展し、行政機能や医療機能、商業施設など多様な都市機能が集積する市の玄関口でもあります。
しかし近年、頻発・激甚化する豪雨災害の発生に伴い、筑後市も度々浸水被害を受けております。
特に「令和元年8月28日の大雨」では、市内118棟の建物で浸水被害が生じ、うち約40%にあたる47棟が羽犬塚駅周辺で被害を受けました。また、「令和5年7月10日の大雨」では、市内55棟の建物で浸水被害が生じ、うち約56%にあたる31棟が羽犬塚駅周辺で被害を受けました。こうした筑後市の顔でもある中心部が浸水被害が生じることは、地域住民の皆様の安全・安心を損ねるばかりか、筑後市全体の魅力を低下させるものでもあります。
また、本地区は浸水被害以外にも空き家・空き地等の都市のスポンジ化に対する課題や駅前広場の混雑、狭隘道路などのインフラの課題、都市部ならではの地域コミュニティ活動の課題など、多様な課題が山積しております。
こうした課題を踏まえ、頻発・激甚化する水災害に対応した防災まちづくりや、低未利用地や地域資源を活用した活力と魅力あるまちなかの形成に向け、令和3年度より本地区のまちづくりビジョンの策定に取り組んできました。
まちづくりビジョン策定にあたっては、行政・住民・事業者・学識者などの多様な人材が参画した協議の場において、本地区の課題や現状分析を行いながら、情報共有や合意形成を図りつつ、令和4年3月29日に「JR羽犬塚駅周辺地区まちづくりビジョン」の取りまとめを行いました。このまちづくりビジョンを実現させ、安全で安心に暮らせるまちづくりの推進や駅前エリアの活力・魅力の向上に向け、「JR羽犬塚駅周辺地区エリアプラットフォーム」を令和4年6月1日に設立しました。
今後、官民が連携し、防災力を地道に築きながら、住む人・暮らす人を大切にしたまちづくりを目指し、歩みを止めず、できることから着実に地域と一体となって様々な取り組みを行っていくこととしており、「JR羽犬塚駅周辺地区まちづくりビジョン」の実現に向けた都市再生整備計画を令和6年3月に策定しました。
目標
安全・安心で、ゆとりある暮らしを実現できる田園都市・筑後
・頻発・激甚化する水災害に対応した都市機能の防災性・安全性の向上(防災まちづくり)
・低未利用地を活用した中心市街地の再生・活性化及び定住促進(都市のスポンジ化対策)
・地域資源を活用した歩きたくなるまちなかの形成(居心地がよく歩きたくなるまちなか)
計画期間
令和6年度から令和10年度(5カ年)
整備方針
防災まちづくり
・避難路や避難所の防災性・安全性の向上、緊急車両の通行を確保するため、雨水対策として、水路整備及び調整池(雨水貯留)の整備を実施します。 なお、山ノ井川の治水対策については引き続き、福岡県と連携しながら、流域治水の取り組みを促進します。
・踏切の交差点及び地区内の安全な通行の確保及び浸水時の緊急車両の通行を確保するため、道路新設事業を実施します。
都市のスポンジ化対策・居心地がよく歩きたくなるまちなか
・駅前広場の円滑な通行の確保及び快適な待合空間の整備、併せて周辺の低未利用地を活用した駅前広場の再編を実施します。
・街路空間を車中心から人中心の空間へと再構築し「居心地が良く歩きたくなるまちなかの形成」を実現するため、道路幅員の再編を行い、併せて照明灯、街路樹、段差解消を実施します。