ワンヘルス‥ウイルス等による妊娠中の母子感染に注意!

更新日 2024年10月26日

トキソプラズマについて

先天性トキソプラズマ症とは

トキソプラズマは動物の肉や感染したばかりのネコの糞や土の中などにいる、ごくありきたりの単細胞生物です。細胞より小さく、目には見えません。

日本では大人になってから感染率が高くなる傾向にありますが、それでも抗体を持つ人は多くはありません。 感染しても健康な人にはほとんど影響はないのですが、妊婦が初めて感染した場合は、胎児にも感染が及ぶことがあるので注意が必要です。

感染した胎児には障害が生じる可能性がありますが、症状も障害の重さも様々です。流産・死産、脳や眼などの重篤な障害が出る場合もあれば、何も症状が出ないこともありますし、出生時に問題がなくても成長するにつれて視力障害や発達障害などが判明する場合もあります。特に重要なものは網脈絡膜炎による視力障害です。

トキソプラズマのライフサイクル

トキソプラズマのシスト(左)と急増虫体(右)

トキソプラズマ初感染予防のために

トキソプラズマについて、また、妊娠中の初感染により胎児に影響が出ることについて認識されていない方が多い状況にあります。

妊娠前ないし妊娠が診断されたら、早期に下記のような感染予防に気をつけてください。

トキソプラズマ感染予防のための妊婦教育・啓発の内容

「胎内サイトメガロウイルス(CMV)感染症」ってなに?

サイトメガロウイルスは、世界中のいたるところにいる、ありふれたウイルスです。

母乳、唾液や尿や血液を介して主に子どものうちに感染します。その他、性行為を介して感染するなどし、日本では成人女性の70%程度がすでに感染し、抗体(免疫)を持っています。

感染したときの症状はほとんどないか、風邪症状にとどまることが多く、サイトメガロウイルス感染と気づくことはまずありません。健康な子どもや大人が感染しても全く問題ないのですが、妊婦さんが初めて感染した場合、妊婦さんにほとんど症状がなくても、赤ちゃんにまで感染がおよぶことがあります。

感染した赤ちゃんには、流産・死産、脳や聴力障害などを生じることがありますが、症状も障害の重さも様々です。特に重要なのは進行性の難聴です。一方で、感染した赤ちゃんに何も症状がでないこともあります。また、出生時に症状がなくても、成長するにつれて症状が出る場合もあります。

何らかの症状がでる先天性サイトメガロウイルス感染症を発病するのは、感染した赤ちゃんの10 ~ 30%程と言われています。

サイトメガロウイルス粒子(電顕写真)

トーチの会リーフレット1
トーチの会リーフレット2
(注)このパンフレットは内容を見直し改版されることがありますので、「トーチの会 - 先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症患者会」のページ(https://toxo-cmv.org/download/)をご覧ください。

妊娠中の感染予防のための注意事項-11か条

トーチの会では、妊娠中の感染予防の『注意すべき11か条』をA4でプリントできるサイズにまとめられています。
トキソプラズマやサイトメガロウイルスだけでなく、様々な感染症からの予防について書かれています。研修での配布や、「妊娠中の母子感染に注意!」パンフレットとの併用で、妊婦さんが注意すべき事をより深く理解できると思います。

妊娠中の感染予防のための注意事項 ‒ 11か条 イラスト

11か条イラスト版PDF


妊娠中の感染予防のための注意事項 ‒ 11か条 画像

A4カラー版(PDF)

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