ブックタイトル筑後市市勢要覧
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筑後市市勢要覧
好条件を生かした農業展開筑後市では、昭和60年代から平成10年代にかけて、市内農地面積の約65%の区画整理事業を行いました。この事業と併せて、農業生産の組織化を行ったことにより、農業生産は飛躍的に向上しました。平成29年2月の時点で、22の農事組合法人と1の生産組合、14の個人の認定農業者により市内の水田面積のうち70・6%が経営されています。全国的にみてもこれほどの組織が農地経営を行っている地域は他にありません。筑後市は、南部を中心にその大半を平坦地が占め、北東部が緩やかな丘陵地帯となっています。そのような地形とこの地域特有の気候条件を生かした農業が、筑後市の全域で展開されています。豊富な品目構成筑後市内では、現在、約8割の農地で、表作での米、大豆、裏作での麦といった土地利用型農業が展開されています。近年名前を聞くようになったラーメン麺の原料となる「ラー麦」も筑後市の南西部を中心に栽培されています。そのほか、トマト、イチゴ、ナス、お茶、ナシ、ブドウ、モモ、アスパラガス、キク、草花などの栽培のほか、乳牛、肉牛、豚、卵などの畜産業の経営もされています。より新鮮なものを食卓へ筑後市の農業生産物は、主に東京、大阪などの大都市に届けられています。特に、筑後市のいちご「あまおう」は、その品質の良さから海外へも出荷されています。このような状況の下、市内の農産物の殆どを集出荷しているJAふくおか八女では、鮮度の良い農産物を消費者に届けるため、いろいろな工夫をしています。大都市への農産物の出荷にこれまで特化していましたが、近年筑後市でも直売所がつくられて、地元産の新鮮な農産物を市内外の方に届けることができるようになりました。また、筑後市では、平成14年に市、県、JAその他の関係団体により「筑後市地産地消推進協議会」を立ち上げ、市内小中学校の給食に地元産農産物を提供したり、イチゴ、ナシ、ブドウ、お茶など市民を対象とした収穫体験などを実施したりしています。連携による新たな魅力創出近年、農産物を使った6次産業が注目されています。筑後市でも、JAなどの生産者団体や民間企業、地域の住民の方たちを中心に筑後市産農産物を使ったお菓子や惣菜など、多彩なものが製造されています。なお、平成29年に、市内の法人が作ったさつまいもを使ったお菓子や焼酎なども作られ、販売されています。筑後市の農業のこれから農業を取り巻く環境は、全国的に厳しいものがあります。現在でも、生産者の高齢化、後継者不足等による耕作放棄地の増加など、国土の荒廃が心配されています。そのような中で、農地と農村集落の農業環境の保全のため、市内26の集落が、国の事業である「多面的機能支払交付金」制度を活用した農村環境の保全活動に取り組んでいます。この制度では、農道の整備、農業用水路の草刈り、泥上げ、道路、水路沿いの土地への植栽など多様な取り組みが行われています。農地は、農業者だけのためのものではありません。大雨洪水時のダムとしての機能、いろいろな生物の棲家、四季を彩る風景、そして私たち自身を育む食物を創るところで、私たちの生活を豊かにするものなのです。また、平成24年から国が事業開始した新規就農支援制度に併せて、筑後市では、市独自の支援金制度を設けて、新規就農者の支援に取り組んでいます。平成27年には、JAふくおか八女就農支援センターが立ち上がり、就農に向けた農業研修が行われています。平成24年度以降、筑後市では、親元就農を含め33名が新たに農業に取り組んでいます。12安全・安心な農産物を届けるために