○筑後市消防署潜水業務実施規程

平成18年6月9日

消防長告示第1号

(趣旨)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号)第36条の2に規定する人命の救助を行うための潜水隊の編制、装備、配置等に関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規程において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 自給気潜水 自ら携行するボンベから給気を受けて潜水することをいう。

(2) 潜水業務 潜水作業又は潜水訓練をいう。

(3) 潜水作業 潜水により第9条に定める作業を行うことをいう。

(4) 潜水訓練 潜水の練度の維持及び技術の向上を図るために行う訓練をいう。

(潜水隊員)

第3条 潜水隊員は、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第72条の規定により潜水士免許を受けた者の中から署長が指名するものとする。

2 潜水隊員は、高気圧作業安全衛生規則(昭和47年労働省令第40号)第38条に規定する医師による健康診断の結果、自給気潜水業務に支障がないと判断された者でなければならない。

(潜水隊の編制)

第4条 署長は、水難事故等で潜水作業の必要性が発生したときは、速やかに潜水隊を編制しなければならない。

2 潜水隊に潜水隊長を置き、小隊長の中から署長が指名するものとする。ただし、小隊長不在の場合は、分隊長の中から指名することができるものとする。

(潜水器具)

第5条 消防署は、別表に掲げる水難救助用器具を備えるものとする。

(潜水資器材の保守管理)

第6条 潜水隊員は、常に潜水資器材の保守管理に努め、潜水業務の実施に際してその使用に支障をきたさないようにしなければならない。

2 使用後は、特に十分な手入れを行わなければならない。

3 点検要領については、潜水資器材点検簿(様式第5号)に定めるところによる。

(出動区域)

第7条 潜水隊の出動区域は、筑後市管内の水域とする。ただし、署長が必要と認めた場合は、この限りでない。

(出動指令)

第8条 潜水隊の出動は、署長が指令する。

2 署長は、水難事故等が発生した旨の通報を受けたとき又は水難事故等が発生したことを知ったときは、当該事故概要の的確な把握に努め、直ちに出動指令を発するとともに関係機関に通報しなければならない。

(潜水作業)

第9条 潜水作業は、次に掲げるものとする。

(1) 人命救助のための水中における作業

(2) 前号に掲げるものの他、署長が認めた水中における作業

(潜水作業等の指揮)

第10条 潜水作業又は潜水訓練は、潜水隊長が指揮して実施するものとする。

2 署長は、潜水作業を遂行するため必要があるときは、他の消防隊の応援を求めることができる。

(潜水の基準)

第11条 潜水作業を実施する場合は、次に定める基準により行うものとする。ただし、署長が特に必要と認めた場合はこの限りでない。

(1) 潜水隊長から指示された活動方針、要領等を完全に理解した上で行動に移り、単独行動は避け、規律ある部隊活動を保持するものとする。

(2) 水深は、おおむね10メートル未満とする。

(3) 流速目視で約1ノット(毎秒0.5メートル)以下、水中視界0.5メートル以上を原則とするが、原則外の活動は十分な安全を確保し潜水隊長の判断により活動する。

(4) 潜水作業は、日の出から日没の間に実施するものとする。

(5) 潜水中は、バディ潜水(2人1組)の原則を遵守させる。

(6) 潜水隊長は、潜水隊員をおおむね5分毎に浮上させ、潜水隊員の安全を確認すると共に、状況によっては検索方法及び範囲を修正する。

(7) 活動方針変更又は二次災害の発生危険が予想される場合は直ちに潜水作業を中止させる。

(8) 潜水作業が長時間にわたる場合は、潜水隊員を交代させる。

(9) 潜水作業に障害がある場合及び技術上困難な場合には、速やかに潜水隊長に報告する。

(10) 潜水時間は、ボンベ残圧、空気消費量等から、使用可能時間の短い隊員に合わせる。

(11) 潜水隊長が潜水する場合は、潜水に関する知識及び技術の優れた者を潜水隊長の代行者として指名し、潜水隊長の任務を代行させる。

(12) 潜水作業終了後は、潜水深度及び潜水時間に応じ、一定時間潜水隊員に休息を与えるものとする。

(安全管理)

第12条 潜水業務は、行動上の制約を受け、直接生命に係る危険があるなど二次災害発生の危険が大であるため、常に安全管理を念頭に行動するとともに、次に掲げる処置等を習熟しなければならない。

(1) 潜水器具の故障に対応した処置(バディブリージング)

(2) 潜水障害の排除又は事故発生時の処置(障害排除)

(3) 潜水又は浮上に伴う水圧の加減に対応する処置(耳抜き)

(4) 水中での呼吸要領、潜水、遊泳技術等

(潜水訓練)

第13条 署長は、定期的に潜水訓練を実施するよう努めなければならない。

(潜水隊員の健康管理)

第14条 署長は、高気圧作業安全衛生規則第38条に規定する医師による健康診断を実施し、潜水隊員の健康状態が自給気潜水業務に適するものであることを確認するものとする。

2 署長は、前項の確認の結果、潜水業務を行うことが健康管理上支障があると判断した場合は、その隊員を潜水業務に従事させてはならない。

3 署長は、潜水隊員の健康調査(健康チェックカード)を実施し、潜水業務が行えないと判断した場合は、当日の潜水業務に従事させないものとする。

4 潜水隊員は、勤務中において潜水業務が行えない健康状態が生じた場合は、その旨を申告しなければならない。

5 総務課長は、第1項の健康診断結果を記載した健康診断個人表を潜水経歴簿に編綴するものとする。

(簿冊等)

第15条 潜水業務に関して備えるべき簿冊は、次のとおりとする。

(1) 潜水隊員名簿 (様式第1号)

(2) 潜水経歴簿 (様式第2号)

(3) 潜水救助活動報告書 (様式第3号)

(4) 潜水訓練日誌 (様式第4号)

(5) 潜水救助資器材点検簿 (様式第5号)

(6) 健康チェックカード (様式第6号)

(関係機関との協力体制)

第16条 関係機関と共に潜水救助業務等の活動を行う場合は、これら関係機関の責任者とそれぞれの任務分担、活動方法その他の必要事項を協議し、密接な連携を保持しなければならない。

2 署長は、潜水病に対する医療体制が確立されるよう、関係機関と緊密な連絡調整を行わなければならない。

この告示は、公布の日から施行する。

別表(第5条関係)

水難救助用器具

潜水器具一式

救命胴衣

水中投光器

救命浮環

浮標

救命ボート

様式 略

筑後市消防署潜水業務実施規程

平成18年6月9日 消防長告示第1号

(平成18年6月9日施行)