○筑後市農業委員会農地移動適正化あっせん基準
平成17年1月7日
農業委員会告示第1号
(目的)
第1条 この基準は、筑後市農業委員会が、農業委員会等に関する法律(昭和26年法律第88号)第6条第2項の規定に基づき、農用地区域内の農用地等について、その農用地等の農業上の利用を確保するため、所有権の移転又は使用及び収益を目的とする権利の設定若しくは移転のあっせん(以下「あっせん」という。)を行うのに必要な事項を定め、もってその農用地等に関する権利の取得が農業振興地域整備計画に基づき農業経営規模の拡大、農地の集団化、その他農地保有の合理化に資することを目的とする。
(1) 農用地区域 農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号。以下「農振法」という。)第8条第2項第1号に規定する農用地区域をいう。
(2) 農用地等 農振法第3条に規定する農用地等(当該農用地等とすることが適当な土地を含む。)をいう。
(3) 農業振興地域整備計画 農振法第8条第1項に規定する農業振興地域整備計画をいう。
(4) 農業振興地域 農振法第6条に規定する農業振興地域をいう。
(5) 農地保有合理化法人 農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号)第4条第2項に規定する農地保有合理化法人をいう。
(6) 農業協同組合等 農業協同組合、農業協同組合連合会、農事組合法人又は農地法施行令(昭和27年政令第445号)第1条の6第1項第4号の2に規定する法人をいう。
(7) 農業生産法人 農地法(昭和27年法律第229号)第2条第7項に規定する農業生産法人をいう。
(8) 常時従事者 農地法第2条第7項第2号ニに規定する常時従事者をいう。
(9) 農業用施設用地 農振法第3条第4号に規定する農業用施設の用に供せられる土地(当該農業用施設の用に供することが適当な土地を含む。)をいう。
(あっせんを行う農用地等)
第3条 あっせんは、農用地区域内にある農用地等について行うものとする。ただし、農用地等の交換のあっせんの場合であって、その交換に係る農用地等のいずれか一方が農業振興地域内の農用地区域外にある場合は、農業振興地域内の農用地等について行うことができるものとする。
(農用地等の権利を取得させるべき者)
第4条 あっせんにより農用地等の権利を取得させるべき者は、次の各号に掲げる者とする。
(1) 農業を営む者(次に掲げる要件をすべて満たしている者に限る。)
ア その農業経営には、専ら又は主としてその農業経営に従事すると認められる青壮年を含む2人以上の家族農業従事者(農業生産法人にあっては、常時従事者たる構成員)がいる者であること。
イ その者が現に農業に従事している農業経営の経営主であるか、又は農業後継者であって、かつ、農業によって自立しようとする意欲と能力を有すると認められること。農業生産法人にあっては、その法人の常時従事者たる構成員で理事等業務執行権を有する者が、農業生産の中核的担い手に準ずる農業生産法人に志向させる意欲と能力を有すると認められること。
ウ その者が農業経営の経営主であって年齢が65歳以上であるときは、その後継者が現に農業に従事しているか、又は近く従事する見込みがあると認められること。農業生産法人にあっては、常時従事者たる構成員で理事等業務執行権を有する者のうち年齢が65歳未満の者がいるか、又は近く就任する見込みがあると認められること。
エ その農業経営におけるその農用地等の権利の取得後の経営面積(農業生産法人にあっては、その経営面積をその法人の常時従事者たる構成員の属する世帯の数で除して得た面積。畜産に係る施設の用に供される土地にあっては、飼養規模。以下同じ。)が、別紙に定める場合を除き、筑後市における作目及び経営形態別に筑後市における農家の平均の経営面積以上で農業委員会が定める基準面積(畜産に係る施設の用に供される土地にあっては、基準飼養規模。以下同じ。)(付表1)を超えるものであること。
オ その農業経営の資本装備が、農用地等の効率的利用の観点からみて適当な水準であるか、又は近く適当な水準になる見込みがあると認められること。
カ その者が権利を取得する農用地等をその農用地等の所在する地域に係る農業振興地域整備計画において定める農用地利用計画に従って利用することが確実であると認められること。
(2) 農地保有合理化法人(農業経営基盤強化促進法第4条第2項第1号に規定する農地売買等事業の場合に限る。)
(3) 農業協同組合等(その農用地等が、農業用施設用地であって農業者の共同利用に供されるものと認められる場合に限る。)
(あっせんの順位)
第5条 農用地等の権利を取得させるべき者に対するあっせんの順位は、次の各号に掲げるところにより定めるものとする。
ア 農用地等の権利の取得後における経営面積と付表2の経営規模拡大目標経営面積(その農用地等の権利の取得が畜産に係る農業用施設用地である場合にあっては、経営規模拡大目標飼養規模。以下同じ。)との格差が小さいこと。
イ 農業振興地域整備計画、農業構造改善計画等において育成しようとする農業経営を行おうとする者であると認められること。
ウ その農用地等の位置その他利用条件からみて、その農用地等を最も効率的に利用することができると認められること。
エ 農用地等の集団化に資する程度が最も大きいと認められること。
オ 地域農業の中核的な担い手の育成、確保を図るため最も適当と認められること。
(2) 農業を営む者にあっせんするよりも、農地保有合理化法人にあっせんする方が、農地保有の合理化に著しく寄与すると認められる場合又は、農業を営む者に対するあっせんが不成立の場合(次号に掲げる場合を除く。)は、農地保有合理化法人にあっせんするものとする。
(3) 農業を営む者に対するあっせんが不成立の場合であって、その農用地等が農業用施設用地で農業者の共同利用に供することが適当であり、かつ、農業協同組合等にあっせんすることが適当であると認められる場合は、農業協同組合等にあっせんするものとする。
(あっせん譲受け等候補者名簿)
第6条 農業委員会は、様式第1号のあっせん譲受け等候補者名簿(以下「名簿」という。)を整備し、農業を営む者からの名簿登録の申出及び農業委員会の日常活動による把握を基礎として、あっせんによる農用地等の売渡し、貸付け又は交換の相手方として適当と認められる候補者(あっせん基準に適合し、農業生産の中核的担い手になると見込まれる農業を営む者に限る。)を登録するものとする。
(あっせんの申出等)
第7条 農用地等のあっせんを受けようとする者(農地保有合理化法人を除く。)は、様式第2号のあっせん申出書により、農業委員会に申し出るものとする。
2 農地保有合理化法人は、その法人の定めるところにより、前項の申出をするものとする。
(1) あっせんを行うことを適当とすべき申出は、次に掲げるとおりとする。
ア 農用地等の所有者から農用地等の売渡し、貸付け又は交換の申出があった場合
イ 名簿に登録されている者から農用地等の買受け又は借受けの申出があった場合
(2) あっせんを行うことを適当としない申出は次に掲げるとおりとする。
ア 農用地等の所有者から農用地等の売渡し若しくは貸付けの相手方を指定して申出があった場合
イ あっせんの申出以前に既に実質的に契約を締結していると認められる場合
ウ 不動産業者が介入していると認められる場合
3 農業委員会は、第1項の規定によりその申出についてあっせんを行わないことと決定した場合は、その旨をその申出をした者に通知するものとする。
(1) 前条第1項第1号アのあっせんについては、あっせんの相手方となるべき者の候補者を名簿の登録者の中から1人以上選定し、その者があっせん基準に適合することを確認の上、その者をあっせんの相手方となるべき者として選定するものとする。
(2) 前条第1項第1号イのあっせんについては、当該申出者があっせん基準に適合することを確認の上、農用地等の権利移動の相手方となるべき者を選定するものとする。
(3) 前条第2項のあっせんについては、あっせん基準に基づいて農用地等の権利移動の相手方となるべき者を選定するものとする。
(あっせん委員の指名等)
第11条 農業委員会は、農業委員のうちからあっせん委員2人を指名し、当該あっせん委員をしてその農用地等のあっせんを行わせるものとする。
2 あっせん委員は、この基準に定めるところに従い、共同して前項のあっせんを行うものとする。
(あっせん開始の通知等)
第12条 農業委員会は、あっせんを開始する場合は、第9条の規定により適当と決定したあっせんの申出をした者及びそのあっせんの相手となるべき者として選定した者に、あっせんを行う旨及びあっせん委員の氏名を通知するものとする。
(あっせん調書等の作成等)
第13条 あっせん委員は、そのあっせんが成立したときは、遅滞なく様式第4号のあっせん調書を作成して農業委員会に提出するものとする。
2 あっせん委員は、次に掲げる場合は、あっせんを中止し、遅滞なく様式第5号のあっせんてんまつ書を作成して農業委員会に提出するものとする。
(1) そのあっせんが成立する見込みがないものと認めたとき。
(2) あっせんの対象として、不適当な事実があると認めたとき。
(あっせん証明書等)
第15条 農業委員会は、第13条第1項の規定によりあっせん調書の提出があったときにおいて、農用地等の権利移動の当事者の一方又は双方から、あっせん証明書の交付の申請があったときは、その者から契約書を提示させ、当該契約内容とあっせん調書との照合を行い、当該契約が当該あっせんに基づき成立したものであることを確認の上、あっせん証明書を交付するものとする。
(農地移動適正化あっせん台帳)
第16条 農業委員会は、第13条に規定するあっせん調書(選定調書を添付)とあっせんてんまつ書(選定調書を添付)とを時系列的に整理し農地移動適正化あっせん台帳を整備するものとする。
2 前項に規定する台帳は、あっせんに係る書類と併せて、あっせんの完結した日の属する会計年度の翌年度から5年間保管するものとする。
(事前届出の勧奨)
第17条 農業委員会は、農業委員会の区域内の農業者等に対し、あっせんの趣旨、あっせん基準の周知徹底に努めるとともに、農業者等が農用地等の売渡し、貸付け、買受け、借受け又は交換をしようとするときは、あらかじめ農業委員会に届け出るよう指導するものとする。
(基準の変更等)
第19条 農業委員会は、この基準を変更する場合又は特別の基準を定める場合は、福岡県知事の認定を受けるものとする。
附則
この基準は、公布の日から施行する。
様式 略
(別紙)
「農業委員会が定める基準面積」の特例
1 農用地等を交換する場合であって、その一方の当事者の経営面積が当該地域における基準に達していないが、他方の当事者の経営面積が当該地域の基準面積を超えているか、又はその交換の結果超えることとなり、かつ、その耕作農地の集団化に著しく寄与する場合
2 花き栽培等の集約経営が行われる場合
3 農家の平均経営面積 117アールを超える場合
4 園芸施設については、施設面積 2,500平方メートルを超える場合
5 権利を取得させるべき者が、新規就農希望者である場合
6 権利を取得させるべき者が、農業経営改善計画の認定を受けた者である場合
付表1
基準面積(基準飼養規模)
類型 | 基準面積 (基準飼養規模) | 適用 |
水稲+麦 | /水稲/麦/) 117a |
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水稲+い草 | /水稲/い草/) 117a |
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水稲+野菜 | /水稲/野菜/) 117a |
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水稲+園芸施設 | /水稲/園芸施設/) 117a | 園芸施設 トマト・なす・いちご・花き・その他 |
水稲+果樹 | /水稲/果樹/) 117a | 果樹 ぶどう・梨・その他 |
水稲+茶 | /水稲/茶/) 117a |
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果樹(専業) | 果樹 117a | 果樹 ぶどう・梨・その他 |
茶(専業) | 茶 117a |
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養豚 | 飼育豚 100頭 又は 母豚 10頭 |
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養鶏 | 採卵鶏 8,000羽 |
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酪農 | 搾乳牛 30頭 |
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肥育牛 | 肥育牛 40頭 |
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付表2
経営規模拡大目標面積(目標飼養規模)
類型 | 目標面積 (目標飼養規模) | 適用 (経営規模) |
水稲+麦+大豆 | 水稲 600a 麦 1,000a 大豆 400a | 自作地 300a 借地 700a |
水稲+い草加工 | 水稲 250a い草 300a | 自作地 300a |
水稲+麦+ぶどう | 水稲 60a 麦 100a ぶどう 100a | 自作地 210a |
水稲+麦+露地野菜 | 水稲 120a 麦 120a 露地野菜 180a | 自作地 200a 借地 100a |
水稲+麦+冬春トマト | 水稲 110a 麦 160a 冬春トマト 40a | 自作地 220a |
水稲+麦+冬春なす | 水稲 120a 麦 175a 冬春なす 25a | 自作地 220a |
水稲+麦+いちご | 水稲 120a 麦 120a いちご 20a | 自作地 170a |
水稲+麦+花き | 水稲 120a 麦 180a 花き 26a | 自作地 240a |
水稲+酪農 | 水稲 400a 搾乳牛 35頭 | 自作地 200a 借地 200a 搾乳牛 35頭 |
ぶどう専作 | ぶどう 130a | 自作地 130a |
なし専作 | なし 230a | 自作地 230a |
茶専作 | 茶 400a | 自作地 400a |
花き専作 | 花き 50a | 自作地 65a |