○筑後市鳥獣捕獲許可事務取扱要領
平成11年6月9日
告示第44号
第1章 総則
(趣旨)
第1条 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号。以下「法」という。)第9条に基づく有害鳥獣捕獲(以下「捕獲」という。)、学術研究及びその他の特別の事由による捕獲許可及びその事務取扱いは、法及び鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則(平成14年環境省令第28号。以下「規則」という。)の定めるところによるほか、この要領の定めるところによるものとする。
(捕獲についての基本的考え方)
第2条 法第9条に基づく捕獲の許可は、当該鳥獣の保護及び管理の目的の場合において、被害防止の実施又は追い払い等によっても被害等が防止できないときのみ行うものとする。
2 生息数の少ない鳥獣の捕獲は特に慎重に取り扱うこととする。このような鳥獣については、特に捕獲に名を借りた違反の生じることのないよう各方面を指導するとともに、捕獲した後、被害等が及ぶおそれの少ない地域へ再放鳥獣し、生息数の確保に努めることも検討する。
3 前2項ほか鳥獣被害の防止の観点からも、日頃より人の生活に伴い排出される餌に野生生物が依存し、鳥獣被害を生じやすくすることがないよう関係方面に周知徹底を図る。また、捕獲に際しても捕獲の対象となる鳥獣の嗜好する餌を用いた捕獲方法をとることにより、結果として鳥獣被害発生の遠因を発生せしめるようなことがないよう指導を行う。
(飼養についての基本的考え方)
第3条 野生鳥獣は本来野外で自然のままに観察すべきものであることに留意し、捕獲許可にあたっては飼養しなければならない事由及び捕獲申請区域の対象鳥獣の生息状況を検討し、許可の適否を判定する。
第2章 有害鳥獣捕獲計画書
第4条 筑後市は、過去の被害等の状況に基づき有害鳥獣による被害発生状況表(別表1)を参考に、被害発生予察を行うものとする。
第6条 筑後市は、計画書を作成するにあたり隣接する市町村と一斉に捕獲を実施する場合等は、関係市町村と十分に連携を行うものとする。
第7条 計画書の作成は次のとおりとする。
(1) 計画書は捕獲区域及び鳥獣別に作成する。
(2) 対象鳥獣は、通年的若しくは集中的に被害が予察されるドバト、カラス類、ヒヨドリ、スズメ、ゴイサギ、コサギ、イノシシ及びシカとする。
(3) 捕獲期間及び捕獲数は、関係団体等と協議のうえ、過去の被害発生状況や鳥獣の繁殖状況等の予察を十分に行ない決定する。
(4) イノシシ及びシカの捕獲については前年度の広域捕獲及び隣接県合同広域捕獲期間等を考慮する。
第8条 筑後市は計画に変更が生じた場合は、変更計画書を所長と協議するものとする。
第3章 捕獲許可基準
(捕獲従事者)
第10条 鳥獣の捕獲に従事する者(以下「捕獲従事者」という。)は次の各号に定めるものとする。
(1) 原則として、銃器を使用する場合は、捕獲を実施する年度の前年度を含む連続2年以上福岡県の乙種狩猟者登録を受けた者(空気銃を使用する場合にあっては丙種の狩猟者登録を受けた者)、また、わな若しくは網を使用する場合は、当該年度若しくは前年度の甲種の狩猟者登録を受けた者とする。ただし、真にやむを得ない場合は、この限りではない。
(2) 技能熟練者でかつ過去10年以内に狩猟関係法令に違反したことのない者
(3) 被害等の発生地域の地理及び鳥獣の生息状況を把握している者が含まれること。
(4) 銃器使用による捕獲従事者は班編成をし、団体行動がとれる者とする。また、その人員は必要最小限(1班につき15人以内。ただし、イノシシ及びシカの捕獲は原則として5人以上)とする。
(5) 狩猟災害共済又は狩猟者保険に加入している者
(捕獲実施区域)
第11条 捕獲実施区域は、筑後市の区域内とし、有害鳥獣の生息状況及び被害等の発生状況を勘案のうえ必要最小限にとどめるものとする。ただし、被害等が複数の市町村にまたがって発生する等、被害等の状況により捕獲区域が隣接市町村にまたがらなければ捕獲の効果が期待できないときは、この限りでない。
(捕獲期間)
第12条 捕獲期間は、被害等が生じている時期のうち、最も効果的に捕獲が実施できる時期における必要かつ適切な期間とし、30日間を標準とする。ただし、被害等の発生が予察される場合、飛行場の区域内において航空機の安全な航行に支障を及ぼすと認められる鳥獣を捕獲する場合等特別な理由が認められる場合には、この限りではない。
2 捕獲の期間は、狩猟期間以外の期間とし、狩猟期間の前後15日間は原則として許可しないものとする。
3 狩猟期間であっても、鳥獣保護区、休猟区、その他制限区域について特別に捕獲する必要がある場合は、最小限度の期間をもって捕獲することができる。
4 捕獲対象以外の鳥類の繁殖に支障のある期間はできるだけ避けるよう配慮するものとする。
(捕獲及び採取許可数量)
第13条 捕獲及び採取許可数量は、鳥獣の生息密度の調整及び管理を考慮して、被害等防止の目的を達成するため、必要な最小限の数量にとどめるものとする。
(1) 現に被害等を発生させている鳥類を捕獲することが困難であり、鳥類の捕獲によるだけでは捕獲の目的が達成できない場合
(2) 建築物等の汚染等を防止するため、巣を除去する必要のある場合で併せて卵を採取する場合
第4章 捕獲許可申請
第15条 捕獲のため鳥獣の捕獲申請を行うことができる者は、次のとおりとする。
(1) 国及び地方公共団体
(2) 法第12条第2項の規定により環境大臣(以下「大臣」という。)の定める法人
(3) 個人の場合は鳥獣から被害を受けた者、又は被害者から捕獲の依頼を受けた者(被害者の管理する区域内において、原則として銃器以外の方法で行うドバト及びイタチの捕獲に限る。)
ただし、複数の市町村の区域をまたがって捕獲を行う場合は、関係市町村長の意見書を添え所長に提出しなければならない。
(3) 申請者が被害者から捕獲の依頼を受けた場合 有害鳥獣捕獲依頼書(様式第7号)
3 前項の規定にかかわらず、計画捕獲の場合は被害等が発生する前に申請書を提出することができる。
4 申請書の提出部数は、別表3に掲げる部数とする。
第5章 捕獲許可
第18条 市長は、許可証等を交付した場合はその許可内容を、所長、警察署長、森林管理署長、鳥獣保護員、地元猟友会支部長及び関係団体に、従事者名簿の写しを添え、それぞれ通知するものとする。
第19条 計画捕獲の従事者に交付する従事者証は、様式第9―1号の従事者証を使用する。許可期間終了後、次の計画捕獲の許可をする場合は、前回交付し返却された従事者証に第2回目の許可期間及び許可証番号等を記載し、契印のうえ同従事者証を交付していくものとする。
(捕獲許可をする場合の留意事項)
第21条 許可をする場合は、次の各号に留意するものとする。
(1) 許可証等は、原則として鳥獣の種類別に発行する。
(2) 許可証等を交付するときは、許可の経過を明らかにするため有害鳥獣捕獲許可台帳(様式第12―1号)を整備する。
(3) 捕獲に伴う危害防止のため、捕獲の事前及び捕獲実施中に地域住民及び捕獲区域に入り込む者に対して十分な広報活動を行う等、申請者に対し万全の措置を講じさせるとともに、許可証等及び指示書の携帯並びに腕章の着用を指導する。
(4) わな・網による捕獲については、申請者に対しその猟具ごとに住所・氏名等の表示を確実にさせ、期間中における巡視、期間終了日における撤去を確実に行うよう指導する。(平成3年8月27日付け環境庁鳥獣保護業務室長通達)
(捕獲実績等の報告)
第22条 許可証の交付を受けた者は、許可期間終了後速やかに許可証等を返納するものとする。この場合、許可証の鳥獣捕獲報告欄に捕獲数等の実績を記載するものとする。(規則第7条第8項の14)
2 大臣許可の許可証等の返納は、所長を経由して、速やかに知事あて送付するものとする。
3 市長は、市町村長許可にかかる捕獲実績を、有害鳥獣捕獲許可状況報告書(様式第13号)に四半期毎に取りまとめ、その翌月の10日までに所長に報告するものとする。また、有害鳥獣捕獲許可台帳の写しを翌年度の4月10日までに所長に提出するものとする。
第6章 飼養のための捕獲申請及び許可事務等
2 許可については、第17条の規定を準用する。
3 許可証を交付するときは、許可の経過を明らかにするため飼養のための鳥類捕獲許可台帳(様式第12―2号)を整備する。
4 捕獲申請区域が、申請者居住地の市町村と異なる場合の取り扱いについては、次に定めるとおりとする。
(1) 申請者は居住地市町村長を経由して、捕獲申請区域を管轄する市町村長(以下「捕獲区域市町村長」という。)に申請書を提出する。
(2) 居住地市町村長は申請書が到達したときは、許可基準のうち許可対象者の資格について審査のうえ、適当と認められる場合は、捕獲区域市町村長へ申請書及び必要書類を送付するものとする。
(3) 送付をうけた捕獲区域市町村長は、捕獲条件等について審査し、適当と認められる場合は、居住地市町村長を経由して、許可証を交付するものとする。
(4) 申請書等の提出部数については、別表3に定める部数に1部追加するものとする。
5 許可証の交付を受けた申請者は、許可期間終了後30日以内に、許可証を返納するものとする。この場合、許可証の鳥獣捕獲報告欄に捕獲数等の実績を記載するものとする。(規則第7条第8項の14)なお、捕獲区域と申請者居住地が異なる場合は、居住地市町村長を経由して許可証を交付した市町村長へ返納するものとする。
附則
(施行期日)
1 この告示は、公布の日から施行し、平成11年4月1日から適用する。
(経過措置)
2 この告示の施行日以前において許可され、施行日以後も引き続き有害鳥獣の捕獲許可期間中のものの実績等の報告は、なお従前の例による。
附則(平成12年4月18日告示第38号)
この告示は、公布の日から施行し、改正後の筑後市鳥獣捕獲許可事務取扱要領の規定は、平成12年4月1日から適用する。
附則(平成12年12月28日告示第110号)
この告示は、平成13年1月6日から施行する。
附則(平成15年7月31日告示第88号)
この告示は、公布の日から施行し、改正後の筑後市鳥獣捕獲許可事務取扱要領の規定は、平成15年4月16日から適用する。
附則(平成27年2月13日告示第22号)
この告示は、平成27年5月29日から施行する。
別表1(第4条関係)
有害鳥獣による被害発生状況表
区分 加害鳥獣名 | 被害林木及び農林作物名 | 加害時期 | 備考 |
カモ類 | ノリ、レンコン、イグサ、水稲、麦 野菜類 | 4月~6月 9月~3月 |
|
カラス類(ハシボソガラス、ハシブトガラス、ミヤマガラス) | 果樹(ナシ、ブドウ、カキ、ミカン、モモ、ビワ、スイカ等) 野菜類(キャベツ、トマト) 豆類、鶏卵 | 4月~3月 | 計画捕獲対象 |
スズメ類 | 水稲、麦、果樹(ブドウ)、野菜(イチゴ) | 4月~3月 | 計画捕獲対象 |
ヒヨドリ | 果樹(ブドウ、スモモ、ミカン、カキ、ナシ、キウイ等) 野菜類(キャベツ、ハクサイ、レタス等) | 4月~3月 | 計画捕獲対象 |
ドバト | 大豆、麦 野菜類(キャベツ、ホウレンソウ、ハクサイ、レタス等) 水稲、飼料作物 | 4月~12月 3月 | 計画捕獲対象 |
ゴイサギ コサギ | 養稚魚(アユ、コイ等) 水稲、イグサ | 4月~7月 11月~3月 | 計画捕獲対象 |
カワラヒワ | 果樹(ナシの花芽) | 4月 2月~3月 |
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ムクドリ | 果樹(ミカン、イチジク) | 4月~7月 9月~1月 |
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キジバト | 豆類、野菜類 | 6月~8月 11月~12月 |
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イノシシ | タケノコ、クリ、イモ類、コンニャク 果樹(ナシ、ミカン、ブドウ、モモ、カキ、キウイ等) 水稲 | 4月~3月 | 計画捕獲対象 |
ノウサギ | スギ、ヒノキの幼齢木 野菜類(ハクサイ、キャベツ) 果樹(ミカン) | 4月~3月 |
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サル | タケノコ、野菜類、果樹 豆類、イモ類 | 4月~3月 |
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シカ | 造林木(スギ、ヒノキ) | 4月~3月 | 計画捕獲対象 |
ムササビ | 造林木(スギ、ヒノキ) | 4月~5月 12月~3月 |
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別表2―1(第9条関係)
捕獲を許可される鳥獣名、猟具及び猟法等一覧表
目的 | 鳥獣名 | 猟具 | 猟法 | 許可権限 |
有害鳥獣捕獲 | 1 カワウ、ダイサギ、コサギ、トビ ドバト、タイワンシロガシラ、ウソ、オナガ サル、マングース、ノヤギ、メスジカ 狩猟鳥獣 | 銃器(空気銃の使用は中・小型鳥類に限る。) 網(かすみ網は除く。) わな(獣類に限る。) 捕獲箱、手取り | 法で禁止されている猟法以外の猟法 | 市長 |
2 飛行場の区域内における航空機の安全な航空に支障を及ぼす鳥獣 | ||||
3 上記の鳥獣であっても、複数の市町村の区域にまたがり広域一斉駆除の目的で捕獲する場合 | 同上 | 同上 | 農林事務所長 | |
4 チュウサギ | ||||
学術研究 | 上記1及び4の鳥獣 | 同上 | 同上 | |
上記以外 |
| 同上 | 環境省大臣 |
別表2―2(第9条関係)
採取を許可される鳥類の卵
許可権限 | 鳥類の卵名 | 目的 |
市長 | カルガモ、キジバト、ドバト、スズメ、ハシボソノガラス及びハシブトガラスの卵 | 捕獲 |
所長 | 同上 | 学術研究 |
環境省大臣 | 市町村長又は所長の許可権限にかかるものを除く |
別表3(第16条関係)
鳥獣捕獲許可申請書等書類提出明細表
提出部数等 | |||||||
許可権限 | 有害鳥獣捕獲 (市経由) | 学術研究(飼養)等 | |||||
市長 | 所長 | 所長 (市長) | |||||
様式名 | 様式番号 | ||||||
計画 | 有害鳥獣捕獲計画書 | 1 | 所長と協議 |
| |||
申請 | 鳥獣捕獲等許可申請書(愛がんのための飼養以外) | 2―1 | 1 | 2 | 1 | ||
鳥獣捕獲等許可申請書(愛がんのための飼養) | 2―2 |
|
| (1) | |||
添付書類 | 有害鳥獣捕獲従事者名簿 | 5 | 1 | 2 |
| ||
鳥獣捕獲等許可申請者名簿 (許可申請の場合) | 6 | 1 | 2 | 1 (―) | |||
有害鳥獣捕獲実施計画書又は経費支出計画書 | 4 | 1 | 2 |
| |||
予算書写 (実施主体が市である場合) |
| 1 | 2 |
| |||
鉄砲所持許可証書 |
| 1 | 2 |
| |||
市長の副申書 (市長以外の者が申請する場合) |
|
| 2 |
| |||
研究団体の長の副申書 (学術研究の場合) |
|
|
| 1 | |||
研究の事項及び方法 (学術研究の場合) |
|
|
| 1 | |||
捕獲実施区域図 |
| 1 | 2 | 1 | |||
台帳 | 鳥獣捕獲等従事者台帳 | 11 | 申請者(捕獲者)が作成する |
| |||
有害鳥獣捕獲許可台帳 | 12―1 | 許可権者(市長、所長)が作成する |
| ||||
飼養のための鳥類捕獲許可台帳 | 12―2 |
| 市長が作成 | ||||
報告 | 有害鳥獣捕獲許可状況報告書 | 13 | 市長は所長に所長は緑化推進課長に報告 |
|
注
1 有害鳥獣捕獲等許可申請のうち所長許可に係るものは、原則として市経由で提出する。
2 学術研究(飼養)等の欄の( )書きは、飼養のための捕獲にかかるものである。
3 学術研究(飼養)等の申請で環境省大臣許可にかかるものは知事(緑化推進課)に提出する。
様式(省略)