○筑後市福祉のまちづくり条例
平成15年9月26日
条例第26号
すべての市民が、ひとりの人間として尊重され、社会参加の機会を平等に持つことにより自己実現を果たせる社会を実現することは、私たちの願いである。
筑後市では、市民の福祉増進に努力を重ねてきているが、地域に存在する様々な物理的・心理的障壁によって、障害者や高齢者等の自由な社会参加は、今日まだまだ不十分な状況である。
このような中、私たちは福祉のまちづくりに関する様々な問題を市民全体の共通課題として認識し、地域社会の物理的・心理的障壁を取り除くことが求められている。
私たちは、今後、障害者、高齢者等をはじめ、すべての市民が安心して居住し、自由に移動でき、多様な価値観を認め合う地域社会を市民自らが創造していくことを決意する。
市、市民、事業者、それぞれが自らの役割を自覚し、連携、協働して、福祉のまちづくりを着実に前進させることを誓い、ここに「筑後市福祉のまちづくり条例」を制定する。
(1) 障害者、高齢者等 障害者、高齢者、妊産婦、乳幼児を連れた人、病弱者その他の日常生活又は社会生活において行動上の制限を受けている者をいう。
(2) まちづくり施設 病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、物品販売業を営む店舗、公共輸送車両等の用に供する施設、道路、公園その他不特定かつ多数の者が利用する部分を有する施設で福岡県福祉のまちづくり条例施行規則(平成10年福岡県規則第41号。以下「福岡県規則」という。)第3条第1項の規定によるものをいう。
(市の役割)
第2条 市は、福祉のまちづくりを総合的に推進するための施策を策定し、これの実現に努める。
2 市は、前項に規定する施策の策定及び実施にあたっては、市民及び事業者の意見が生かされるよう努める。
(市民の役割)
第3条 市民は、福祉のまちづくりに関し、理解を深めるとともに、福祉のまちづくりに積極的に参画するよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第4条 事業者は、市及び市民とともに福祉のまちづくりに取り組むよう努めるものとする。
(施策の基本方針)
第5条 市の施策の基本方針は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 市と市民が協働して進める福祉のまちづくり
(2) 市民の自己選択及び自己決定の尊重
(3) 市民が自由に移動し、社会参加できる地域社会の推進
(4) 市民の自立した日常生活の支援
(5) 市民の心理的、物理的障壁及び情報の障壁を取り除いた生活環境整備の推進
(推進体制の整備)
第6条 市は、市民及び事業者の参画のもと、福祉のまちづくりに関する施策を策定及び実施するための体制を整える。
(財政上の措置)
第7条 市は、福祉のまちづくりを推進するために、可能な限り財政上の措置を講ずる。
(社会参加の支援)
第8条 市は、障害者、高齢者等をはじめすべての市民が安心して居住し、自由に移動でき、社会参加できるよう支援に努める。
(啓発及び情報提供)
第9条 市は、市民の人権意識を高め、福祉のまちづくりへの理解を深めるために必要な広報その他の啓発活動に努める。
(学習機会の確保)
第10条 市は、障害者、高齢者等がいつでも、どこでも、だれでも学ぶことができるような生涯学習社会を築くため、学習機会の確保及び教育環境の整備に努める。
(福祉教育の推進)
第11条 市は、障害者、高齢者等をはじめすべての市民が地域福祉の担い手となれるような福祉教育の推進に努める。
(就業機会の確保)
第12条 市は、障害者、高齢者等がその能力に応じ、就業の機会が確保され、及び雇用関係の安定が図られるようにするために、必要な施策を講ずるよう努める。
2 事業者は、障害者の雇用の機会を確保するとともに、職場環境の整備を行い、その安定を図るよう努めるものとする。
(ボランティア活動の促進)
第13条 市は、市民及び事業者がボランティア活動を実践できるよう、情報の提供その他必要な施策を推進する。
2 市民及び事業者は、ボランティア活動に積極的に参加するよう努めるものとする。
(安全性の確保)
第14条 市は、災害に強いまちづくりに努めるとともに、市民及び事業者と連携して障害者、高齢者等をはじめすべての市民が安心して暮らせるよう安全の確保に努める。
(まちづくり施設の整備)
第15条 市が、まちづくり施設を整備するときは、福岡県規則で定める整備基準に適合させなければならない。また、福岡県規則で定める望ましい基準(以下「望ましい基準」という。)に適合させるよう努めるものとする。
2 まちづくり施設を整備しようとする者は、福岡県福祉のまちづくり条例(平成10年福岡県条例第4号)に基づき整備しなければならない。また、まちづくり施設を整備しようとする者は、望ましい基準に適合させるよう努めるものとする。
(まちづくり施設整備の指導)
第16条 市は、まちづくり施設を整備しようとする者に対し、望ましい基準に適合させるよう指導に努めるものとする。
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。
附則
この条例は、平成15年10月1日から施行する。