「アンコンシャス・バイアス」という言葉を知っていますか。アンコンシャス・バイアスとは、自分自身では気付いていない「無意識の思い込み・無意識の偏見」のことをいいます。アンコンシャス・バイアスは誰もが持っているもので、自分の経験や育った環境、周囲の意見、日々接する情報などにより形成されます。 自分自身では意識していないため、日常的に取る何気ない発言や行動として現れます。この言動が、気付かないうちに相手を傷つけたり、キャリアに影響を及ぼしたり、自分自身の可能性を狭めてしまうなど、さまざまな影響があるため、男女共同参画の推進を阻む大きな要因になっています。 「ふらっと」では、アンコンシャス・バイアス【職場編】について、2回に分けて事例を紹介していきます。今回は、上司の無意識な思い込みによる2つの事例を紹介します。 どちらの事例も、上司から部下への配慮としての発言です。しかし、「家事・育児は女性がするもの」という思い込みがあったのかもしれません。このような場合、次のような点を意識してみましょう。【上司】最初から性別を前提にした決めつけをせず、確認をしてみる。【社員】自分の思いを伝えてみる。 コミュニケーションをとることが、働きやすい職場や社員のモチベーションアップ、ひいては会社の業績アップに繋つながっていくかもしれません。 アンコンシャス・バイアスを持っていること自体が悪いわけではありません。アンコンシャス・バイアスを自覚し、意識することでその悪影響を減らしていくことが必要です。相手の置かれている状況を考え、別の不満やトラブルの原因にならないように普段の言動から意識しましょう。筑広報ちくご 令和4年2月号14事例1.事例1.プロジェクトへの参加プロジェクトへの参加 大きなプロジェクトを立ち上げる会議に参加した際、上司から「女性のAさんとBさんには小さい子どもがいるから、今回は男性のCさんにやってもらおう」と言われました。この発言を受けて、Aさんは「夫も残業が多く帰りも遅いので、配慮してもらってありがたい」と思いました。しかし、Bさんは「今まで頑張ってきているので仕事を任せてもらいたかった。夫は家事や育児も協力的だから頑張れるのに」と思いました。 この上司にとっては、子育て中の女性は大変だろうという気遣いや思いやりからの発言でした。結果的にBさんの場合、仕事の意欲をそがれ、キャリアを積むチャンスを逃すことになりました。事例2.事例2.お迎えの声掛けお迎えの声掛け 職場で男性上司が女性部下に「そろそろ保育園のお迎えの時間じゃない?急ぎの案件ではないので今日はもう切り上げてもいいよ」と声を掛けました。子育てに理解のある理想の上司のように聞こえます。ところが、この職場で「なぜ自分には声を掛けてくれないのだろう?自分もお迎えの時間が迫っているのに」と思った部下がいました。部下は子育て中の男性でした。 皆さんの周りでもこのような場面に遭遇したことはありませんか?この男性上司は男性部下に意地悪するつもりは全くありません。ただ、「保育園のお迎えは女性がするもの」という思い込みから、女性部下にだけ声を掛けてしまったのです。【参考】あすばる情報誌№101甲木正子氏投稿記事 「ふらっと」とは、男女の差別がなくなり、処遇的にも、社会的にも均衡な、フラットな状態をめざすという意味をこめています。【問合せ】男女共同参画推進室(☎65-7051)知っていますか「知っていますか「アンコンシャス・バイアスアンコンシャス・バイアス」」市役所からのお知らせ市役所市役所からのお知らせからのお知らせ
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