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馬具(ばぐ)

 乗馬の際に馬を制御するため、および乗馬の便をはかるための器具類。さらには装飾用のものまでを含めた総称。制御用具には轡(くつわ)・引手(ひきて)・手綱(たづな)・面繫(おもがい)・鑣(ひょう)・鏡板(きょうばん)、乗馬補助具(じょうばほじょぐ)には鞍(くら)・鐙(あぶみ)・章泥(あおり)・胸繫(むながい)・尻繫(しりがい)、装飾などには雲珠(うず)・馬鐸(ばたく)・鏡板などがある。

 

白磁(はくじ)

 白い素地に無色透明あるいは半透明の釉薬(ゆうやく)を掛けた焼き物。日本では江戸時代以降に作られ、それ以前は主に中国の製品が流通していた。

 

剥片(はくへん)

 石を打ち欠いて薄くはぎ取った石片。さらに細かく打ち欠いて石器を作りだしたり、そのまま使うこともある。

 

土師器(はじき)

 古代時代から平安時代に作られた素焼きの土器。

 

柱穴(はしらあな・ちゅうけつ)

 柱を建てるために地面に掘られた穴の総称。または地面に杭を打ち込むことによってできた穴。両者はその形成過程が異なるが、用語としては一般的には柱穴とされる。縄文時代や弥生時代では狭義の柱穴には円筒形・逆円錐台形を呈するものが多い。考古資料としての柱穴では、そこに柱が設置されたまま朽ちてしまったのか、あるいは柱をそこから抜き取ったのかを検証しなければならない。

 

𤭯(はそう)

 胴部に小さな円弧(えんこ)をあけた壷形(つぼがた)の須恵器(すえき)。またこれを模した土師器。竹などでつくった管を円弧に取り付けて液体を注ぐ注口として使用。

 

発掘調査(はっくつちょうさ)

 昔の人たちがどの様に生活していたかを知るため、遺跡に埋もれた遺構や遺物を掘り出し、記録することを通して、考古学研究の資料とするとこ。

 

埴輪(はにわ)

 古墳の墳丘にたて並べる素焼きの土製品の総称。「日本書紀」垂仁天皇32年の条に、殉死(じゅんし)の代用として日葉酢姫命(ひばすひめ)の陵墓(りょうぼ)に埴輪をたてたという記事があり、これにちなんで考古学でも同じ名称を用いた。

 

(ばん)

 容器の器種の1つ。大皿のこと。真間式土器の特徴的な器種とされた。

 

ピット(ぴっと)

 地面に掘られた遺構としての穴の総称。土坑の同義語。ただしピットの方が土坑よりも広い対象に用いられる傾向にある。

 

平瓶(ひらべ)

 奈良時代から平安時代に作られた、緑色に発色する釉薬(ゆうやく・うわぐすり)を掛けた陶器。

 

普通円筒埴輪(ふつうえんとうはにわ)

 円筒埴輪(えんとうはにわ)と同義。

 

墳丘(ふんきゅう)

 古墳をつくるとき土を盛り上げたり、石を積んでつくった小山。墓標としての性格とともに、遺体を覆う役割をもつもの。地山を削りだして墳丘とすることもある。古墳の場合には、墳丘の上部に遺体埋葬(内部主体)が成されることが多いため、墓そのものの威容(いよう)を誇る意味合いも含まれる。

 

方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)

 弥生から古墳時代の墳墓(ふんぼ)の形態の一つ。
1辺5mから長辺30mほどの正方形・長方形に溝をめぐらした墓で、方形区画内には本来数十cmから1m余りの低い墳丘があったが、後世の削平で失われたものが多い。

 

紡錘車(ぼうすいしゃ)

 繊維に適当な強さを与え、太さをそろえるために撚(よ)りをかけて糸にし、これを巻き取る道具を紡錘・紡輪といい、糸を巻き取る際に軸の回転に惰性を与えるはずみ車が紡錘車である。通常、石製もしくは土製で、直径4~5cm程度の扁平な円形をしており、中央に1孔、軸を通すための孔を穿っている。土製のものには土器片を加工したものもみられる。このほか木製・鹿骨製のものが知られる。日本では弥生時代に存在した可能性もある。古墳時代には石製が多く、文様やどが線刻された例もある。また奈良時代以降に鉄製品もあるが、それを軸と一体化したものが、紡錘・紡輪である。

 

仿製鏡(ぼうせいきょう)

 漢鏡もしくは唐鏡をモデルとして製作された鏡の総称。
その意味では日本以外で仿製(ぼうせい)されたものや、中国本土でも後世に仿製されたものも含まれる。日本考古学では弥生・古墳時代のものを中心に、奈良時代以降 唐鏡の仿製品までをこの名で呼び、宋元鏡の影響を受けたものは和鏡と呼んで区別する。

 

墨書土器(ぼくしょどき)

 須恵器(すえき)や土師器(はじき)の坏(つき)などに墨筆(ぼくひつ)で文字や記号を記したもの。1文字ないし数文字の実例が多い。土器の保管・管理にかかわる施設・官職・人の名、則天文字などの吉祥句や呪句的なもののほか意味不明のものも多い。木簡と並ぶ古代の重要な出土文字資料であり、当時の識字層(しきじそう)の広がりを知るうえでも貴重である。

 

墓坑(ぼこう)

 棺(かん・ひつぎ)・槨(かく・ひつぎ)・室の使用・設置の有無にかかわらず、死者を収容するために地中に掘られた穴。

 

掘立柱建物(ほったてばしらたてもの)

 地面に穴を掘って、柱を埋め込んで立てた建物。一般的に平地式・高床式をさすが、平地式に限って用いることもある。日本では弥生時代に始まる建物形式と考えられてきたが、近年の調査から縄文時代にすでに出現していたことが判明した。

 

(ほり)

 つちぼりの意。日本語では城の堀のようにみずぼり、すなわち濠の意でも用いる。一般的には、堀は中・近世の城館の堀や古墳の周堀のような、定型的・規格的なものを意味し、濠は堀の意味を包括しつつ弥生時代の環濠集落のように不定形・非規格的なものを指す場合にも用いる。

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