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(たが)

  桶(おけ)・樽(たる)など、板材を接ぎあわせて容器をつくる際にそれを外側から締め固めるために用いる竹製、および銅・鉄製の輪。
容器製作法としては刳物(くりもの)・曲物(まげもの)についで出現したもの。
円筒埴輪や特殊器台の胴部をめぐる箍(たが)に似た突帯をタガ状突帯といい、略してたんにタガと呼ぶことが多い。

 

高坏(たかつき)

 台付の坏形の容器。高坏形土器(たかつきがたどき)の略称。弥生遺構の主要な器種であるが、東日本の縄文晩期にはすでに独自な高坏形土器が出現する。

 

打製石器(だせいせっき)

 始めから終わりまで一連の打ち欠きによって仕上げられたもので、人類が最初に手にした石器。原石のどの部分を用いて石器を形づくるかの違いから、石核石器(せっかくせっき)と剥離石器(はくりせっき)とに分けられる。

 

敲石・叩石(たたきいし)

 剥片剥離(はくへんはくり)や調整剥離(ちょうせいはくり)に用いた石製の打撃具(だげきぐ)。槌石(つちいし)やハンマー・ストーンともいう。なお縄文時代の敲石・叩石は食料・顔料・粉砕具(ふんさいぐ)とみられるものを含む。

 

竪穴住居(たてあなじゅうきょ)

 地面を水平に掘り下げて床面とする住居施設。竪穴式住居と同義。縄文時代以降、奈良・平安時代にいたるまでの主要な住居施設と考えられる。竪穴住居跡の意味でしばしば竪穴住居と略して呼ばれることもある。

 

長頸壷(ちょうけいつぼ)

 一般的な器形よりも頸部(けいぶ)の長い壷形土器。これに対して短いものを短頸壷(たんけいこ)、長くかつ細いものを細頸壷(ほそくびつぼ)と呼び分けることがある。長頸壷(ちょうけいつぼ)はその形態的な特徴から液体を入れたものと考えられる。弥生時代以後の土器において主に用いられる用語。

 

(つき)

 盤(ばん)よりもやや深い器。古墳時代以降、最も一般的な器種の一つ。片手の掌(てのひら)で支持できる径10数cmものが多い。土師器(はじき)・須恵器(すえき)・木製品がある。

 

(つぼ)

 ふくらみのある胴部に強くすぼまった口頸部(こうけいぶ)がつくもの。古くは瓶(へい)とあらわし、現在も水瓶(すいびょう)・平瓶(ひらべ)・提瓶(ていへい)などに残る。土器では、頸部の有無や形態から無頸壷(たんけいこ)・長頸壷(ちょうけいつぼ)などと壷をさらに細かく形態分析する。器物の形態名称の1つ。

 

壷棺(つぼかん)

 坪形土器を棺に用いたもの。乳幼児の一次埋葬と、主に成人の二次葬、再葬とに壷棺が用いられたが、ともに日常容器の転用か、棺用につくられた専用棺かの区別は難しい。

 

手焙り形土器(てあぶりがたどき)

 鉢(はち)のような形の器の上半分ほどに、ドーム状の覆いを付けた土器。

 

鉄器(てっき)

 鉄を素材とした道具。鉄製品より対象とする道具の範囲はやや狭く、工具・農具・漁具・武器などといった生産用具(利器)と限定して使用する。

 

手捏土器(てづくねどき)

 1個の粘土の塊の中央を指で凹ませて、形を作りだしていく小型の土器。多くは、お祭りに使われたものと言われている。

 

鉄滓(てっさい)

 製鉄(せいてつ)や鍛冶(かじ)を行う際に生じる不純物。その中に含まれる鉄の成分を調べることで使用原料や製鉄や鍛冶の工程、製造の技術などが分かる。

 

鉄製品(てつせいひん)

 鉄を素材にした器物の総称。工具・農具・狩猟具・漁具などの生産用具や武器・武具といった各種実用の利器に広く鉄製品が用いられた。製法の違いによる鍛造品(たんぞうひん)と鋳造品(ちゅうぞうひん)の2種類がある。弥生時代の初めに朝鮮半島から舶載されたと考えられてる。そして、弥生中期から鍛造品が多く製作され、弥生後期には利器が石器から鉄製品にほぼ完全に交替した。日本列島で鉄生産が本格化したのは古墳時代以後のことである。

 

鉄鏃(てつぞく)

 鉄製の鏃(やじり)で古代の武器のこと。弥生時代にすでに使用された。古墳時代の鉄鏃(てつぞく)はそれぞれ身の形状、逆刺の有無により三種に大別される。

 

砥石(といし)

 物を研(と)ぎ磨(みが)く石。ふつう砂岩を用いており、その目の細さから荒砥(あらと)・中砥(なかと、なかど、ちゅうど)・仕上げ砥石の3種類に分けられ、また大きさによって置き砥石・手持ち砥石に分けられる。

 

陶器(とうき)

 粘土を材料とした焼物。器壁の芯は多孔質(たこうしつ)であるが、器表は釉薬(ゆうやく)をかけ、ガラス化しているために多孔質ではない。

 

陶磁器(とうじき)

 土器(どき)・陶器(とうき)・須恵器(すえき)などの焼物の総称。素焼きの土器に対して、釉薬(ゆうやく)をかけた焼物の総称。

 

刀子(とうす)

 ナイフ・こがたなのこと。武器としての機能よりは、調理道具など日常利器としての側面のほうが強い。青銅製・鉄製・石製がある。

 

土器(どき)

 粘土を材料として形を作りだし、650度から900度くらいの温度で焼かれた焼き物。

 

土坑(どこう)

 昔の人が地面を掘った穴。貯蔵用の穴やゴミ捨て穴などいろいろな穴があるが、発掘調査で見つかった穴の用途を特定するのは難しい。

 

土錘(どすい)

 古墳時代に漁網のおもりとしてつかわれた、焼物のおもりのこと。多くは素焼きで、近世以降になると施釉(せゆう)という釉薬をかけた陶器の例がみられる。

 

突帯文・凸帯文(とったいもん)

 粘土紐を土器面に貼り付け、もしくは両面の土器面を彫刻して施した、器面から帯状に突出した文様。各々貼付突帯文、削り出し突帯文と呼ぶ。

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