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サヌカイト(さぬかいと)

 ガラス質の安山岩(あんざんがん)。
黒耀石(こくようせき)・頁岩(けつがん)と並ぶ先土器時代三大石器の原料の1つ。なお暗色の色調は、風化によって灰褐色に変色する。讃岐石ともいう。


磁器(じき)

 石粉を材料とする焼き物。器壁の芯も器表もガラス化しており、多孔質(たこうしつ)ではない。

 

支脚(しきゃく)

 炉(ろ)や竈(かまど)にすえ、上に土器をのせて煮沸の便に供する器具。弥生前期から土製品・石製品があり、3個を合わせて用いて土器を支えたものと思われる。

 

周溝・周湟(しゅうこう)

 ある遺構(いこう)の周囲にめぐらされた溝の総称。方形周溝墓などの使用例がある。大形の周溝は周濠・周堀ともいう。竪穴の壁下に掘りめぐらされた溝。特に竪穴住居跡(たてあなじゅうきょ)に付帯(ふたい)するものを呼ぶ場合が多い。

 

集石遺構(しゅうせきいこう)

 人によって集められた石の集合体。配石遺構(はいせきいこう)に使用される石の大きさに比べて、より小さめの石からなるものを指す傾向がある。旧石器時代では礫郡(れきぐん)という用語を使用し、集石遺構と呼ぶことはまれである。

 

周堤(しゅうてい)

 竪穴住居(たてあなじゅうきょ)の竪穴の外側にめぐらされた堤状の施設。竪穴の側面とともに住居の壁面をなす構造のものも想定される。

 

集落(しゅうらく)

 居住単位の1つ。複数の住居が1ヶ所に集まった所。長期間に及ぶその場所での生活を前提とする。

 

集落跡(しゅうらくあと)

 ある種の共同生活を営む人々の集まりが、一つの場所に居住する場所のこと。基本的には考古学でも複数の住居址と生活に必要な住居以外の施設があり、ある一定期間の居住が認められるような場所を集落跡と定義づけることが多い。集落遺跡ともいう。


縄文土器(じょうもんどき)

 縄文時代・縄文文化の土器。日本列島における食料採集段階の土器。土器の外面のほぼ全体に縄文を施文した土器の総称。

 

刃器・石刃(じんき・せきじん)

 刃器技法(じんきぎほう)によって大量に打ち取られた細長い剥片(はくへん)。ナイフ形石器をはじめ彫器(ちょうき)・掻器(そうき)など石器の素材となった典型的な縦長剥片。「石刃」・「ブレイド」ともいう。

 

須恵器(すえき)

 古墳時代中期から平安時代までにみられる還元焰焼成による青灰色の焼物。

 

(すき)

 農工具の1つで、柄と平たい身が一直線をなす形態をもつもの。打ちおろして耕起する鍬(くわ)と異なり、踏み込んで土を起こす用法の工具である。長柄鋤・着柄鋤などが典型的だが、ナスビ形耕具・唐鋤・子日手唐鋤(ねのひのてからすき)なども鋤の1形態に含まれる。材料となる樹種はカシ類など堅く粘り気のあるものが多く使われる。弥生前・中期のものは刃先まで木製のものが多いが、中期後半に金属製の鋤先があらわれ、以後急速に普及した。

 

擂鉢(すりばち)

 食物をすりつぶしながら混ぜるための鉢。食材を細かな粒子状に砕いたり、ペースト状にすりつぶす加工を行うための調理器具。陶製のものが多い。すり鉢は臼の一種。原型は中国にもあるが多数の溝(節目)を付けたすり鉢は日本の備前焼に始まる。

 

製塩土器(せいえんどき)

 海水を入れて煮沸を繰り返して塩を採取するための土器。土器製塩(どきせいえん)。縄文後・晩期には関東および東北の太平洋側に分布する。深鉢形で、底部は尖底に近い形で、海水を入れて煮沸したため激しいひび割れを生じ、細片化している。


青磁(せいじ)

 表面に青色や緑色に発色する釉薬(ゆうやく)を掛けた焼き物。日本では江戸時代以降に作られ、それ以前は主に中国や朝鮮半島の製品が流通していた。

 

石室(せきしつ)

 石材を用いた室。主に墳墓(ふんぼ)の石造埋葬施設。遺体や棺を安置してそれを保護し、副葬品(ふくそうひん)を置くための空間をあわせもつ。墳丘(ふんきゅう)への穿(うが)ち方により竪穴系・横穴系に大別される。

 

石錘(せきすい)

 魚を取る漁網(ぎょもう)に、おもしとしてつける石製のおもり。

 

石鏃(せきぞく)

 矢柄の先端に装着する石製の突き刺し具。打製(だせい)・局部磨製(きょくぶませい)・磨製(ませい)があり、各々出現時期や系譜(けいふ)が異なる。
 日本列島では縄文から弥生中期の狩猟具(しゅりょうぐ)、ときには武器として盛んに用いられたが、弥生後期には鉄鏃(てつぞく)にとって代わられた。器や金属に対する貫通力・強度は鉄鏃よりも劣るが、使用実験によると動物の肉・皮に対しては鉄鏃よりも貫通力が優れているという。矢尻・矢の根石は石鏃の俗称・古称。

 

石槨(せっかく)

 古墳(こふん)の埋葬施設(まいそうしせつ)の一種で、石室に対比して使われる。
槨(かく)とは本来中国で用いられた用語で、館を納めそれを囲む施設という意味であることから、竪穴式石室(たてあなしきせきかく)もこれに含まれると考えられるが、日本においては槨は室と棺の中間的な概念としてとらえられ、一部の終末期古墳には横口式石槨(よこぐちしきせきかく)の名も用いられている。

 

石核石器(せっかくせっき)

 原石の芯に当たる部分からつくり出された石器。人類が最初に使用した礫器(れっき)をはじめ両面石器など1群の斧形石器は、原石の形や重さを上手に利用した石核石器の代表例で、旧石器時代に発達した。剥離石器(はくりせっき)と比べて重厚長大で鈍器状(どんきじょう)の石器が多い。日本列島では先土器時代や縄文の遺跡から発見される例が多いが、今のところ旧石器時代に相当する時代や文化の石核石器は認められていない。剥片石器(はくへんせっき)の対語。礫核石器(れきかくせっき)、核石器ともいう。

 

石棺墓(せっかんぼ)

 板石を長方形の箱形に立並べて埋葬施設(まいそうしせつ)とした墓。縄文後・晩期の中部から東北では板石だけではなく丸石を用いた例や木棺の木口版を付設した痕跡を伴う例がある。弥生から古墳時代前半の九州から中国・四国にみられる箱形・箱式石棺墓も石棺墓の一種である。なお、高塚古墳の埋葬施設として各種の石棺が採用されているが、石棺墓とはいわない。

 

石器(せっき)

 石を材料にした道具。打ち欠いて刃を作りだすような打製石器(だせいせっき)や磨いて作る磨製石器(ませいせっき)などがある。

 

施釉陶器(せゆうとうき)

 釉薬(ゆうやく)をかけた陶器。唐三彩・奈良三彩・緑釉(りょくゆう)・灰釉(かいゆう)などが代表的。

 

銭貨(せんか)

 主に東南アジアで流通した硬貨を指す。多くは円形で中心部に方形の穴が開けられた(円形方孔)有孔貨幣であることが多い。金貨や銀貨といった貴金属性の硬貨の対義語として、卑金属製(ひきんぞくせい)の硬貨を指すこともあるが、金貨および銀貨のうち円盤状で中央に孔が開いた形状をしているものを含めて銭貨ということもある。


穿孔(せんこう)

 対象物に穴をあけること。対象物が薄くて、それほど硬くない場合は、刺し抜くことによって穿孔できる。旧石器時代の揉錐器の使用法が相当する。厚くて硬い場合は、工具を回転して刺し抜く方法と削り抜く方法がある。土器の補修孔の穿孔や硬玉類の加工法の1つとしては、前者は木材の結合方法の1つである枘穴(ほぞあな)の穿孔などの木工技術として発達した。この他に金属の加工技術として打ち抜きによる方法もある。

 

前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)

 古墳(こふん)の墳形の一種で、古墳の初形態のうち最も特徴的なもの。円形の墳丘に方形壇状の墳丘を連接させた形をとる。円形墳丘部分を後円部、方形墳丘を前方部と呼んでいる。後円部は、遺体埋葬の中心であり、前方部は遺体埋葬時の儀礼の場であったとの説がある。

 

染料(せんりょう)

 繊維などを着色するための物質。弥生時代の佐賀県吉野ヶ里遺跡出土の絹織物はニホンアカネやカイムラサキで染色されている。

 

掻器(そうき)

 剥片(はくへん)の先端部に堅稿剥離(たてじまはくり)を加え鈍い部厚な刃がつくり出された石器。狩猟具(しゅりょうぐ)ではなくかき削る機能を持ったと考えられる、旧石器時代中期になってから本格的な製作と使用が始まった。日本列島でも旧石器時代の全期間にわたってみられ、縦形掻器・円形掻器・船形掻器など、時期や地域を異にした独特な形状の掻器が発達した。エンド・スクレイパーとも呼ぶ。

 

蔵骨器(ぞうこつき)

 洗骨あるいは火葬骨を納める容器。骨壷(こつつぼ)の名称もあるが、坪形の容器に限定された用い方である。材質は土師器(はじき)・須恵器(すえき)のほかに、ガラス・銅・金銅製・木製などがある。

 

装身具(そうしんぐ)

 呪術的(じゅじゅつてき)な意味を持つシンボルとして縄文時代から古墳時代にかけて広く普及し、指輪、耳飾、腕輪、首輪、足飾など多くの形状の装身具が各地の墳墓(ふんぼ)より出土している。しかし、奈良時代以降、明治時代に至るまでの約1100年間、これらの装身具は忽然(こつぜん)と姿を消した。海外からの文化移入という形で復活を果たした装身具は日本の近代化思想と相まって爆発的な普及を果たし、今日に至っている。

 

(ぞく)

 矢の先端に装着し獲物に突き刺すための道具。石器時代においては一般的な狩猟道具(しゅりょうどうぐ)である。旧石器時代終末期に出現したと考えられ、人類はこの道具の発見によって、狩猟技術が飛躍的(ひやくてき)に発展したと考えられる。弥生時代以降は、その材質が石から金属に変化し、狩猟具だけでなく戦闘用(せんとうよう)の武器として発達した。その形状からさまざまな形式に分けられる。矢尻(やじり)は俗称・古称。

 

礎石建物(そせきたてもの)

 自然石を利用したり、加工したりした台石の上に、直接柱をのせて建築した建物。

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