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灰釉陶器(かいゆうとうき)

 奈良・平安時代に生産された。釉薬(ゆうやく)として植物灰を用い、高温で焼成する。施釉陶器(せゆうとうき)の一種。


瓦器(がき)

 いぶし焼にされて表面が灰黒色を呈する軟質(なんしつ)の土器。平安から室町時代にかけて近畿を中心に主に食器などの日常容器として用いられた。須恵器(すえき)や土師器(はじき)と区別するために瓦器(がき)と呼ばれる。

 

鉸具(かこ)

 革帯などを留めつなぐための留め金。


瓦質土器(がしつどき)

 朝鮮半島において在地の無文土器が漢式土器の強い影響を受けて変容した土器群。
無文土器(むもんどき)に比べ胎土(たいど)が精選(せいせん)され轆轤(ろくろ)技術と叩き技法が採用されている。色調は灰白色・灰黄色を呈するものが多い。


滑石(かっせき)

 板状あるいは繊維状集合として産出する鉱物。硬度1。鉱物としてはもっと柔らかく脂感がある。真珠光沢があり、純粋なものは白色を呈する。古墳時代の石製品である子持勾玉(こもちまがたま)・石製模造品(せきせいもぞうひん)、古代~中世の石鍋などの原料として利用された。


滑石経(かっせききょう)

 少し湾曲(わんきょく)した滑石板に写経(しゃきょう)し経塚(きょうづか)に埋納(まいのう)したもの。大きさは縦10数cm、横20~30数cm、厚さが2cm程度で表・裏・側面と全面に法華経が刻まれている。縦に罫線が引かれて経文が刻まれており、側面は1行だけ刻まれる。藤原時代後期に筑後で行われてた経塚写経の特殊な形態とされる。


(かめ)

 口縁(こうえん)が広く、胴部がふくらみ、器高(きこう)が高くて深い容器。液体などを貯蔵する。甕形土器の略称。煮沸用の容器。


甕棺墓(かめかんぼ)

 甕(かめ)・壺(つぼ)を棺とする墓。弥生時代前期から中期の北部九州で非常に顕著にみられる。


(かん)

 遺体(いたい)を入れるための容器。材質や作り方の違いに応じて木棺(もっかん)・石棺(せっかん)・陶棺(とうかん)・夾紵棺(きょうちょうかん)などにわけられる。
日常の土器や埴輪などを転用したものもあり、土器棺、円筒棺(えんとうかん)とも呼ばれる。


器台(形土器)(きだい(がたどき))

 壷(つぼ)などをのせる土製の台。弥生土器(やよいどき)・土師器(はじき)・須恵器(すえき)にみられ、縄文土器(じょうもんどき)にも同種の用途が推定される例がある。


畿内(きない)

 京都に近い、山城・大和(やまと)・河内(かわち)・和泉(いずみ)・摂津(せっつ)の五か国。


管玉(くだたま)

 管状の玉。縄文時代から古墳時代に用いられたが、縄文時代のものは側面形がやや楕円形を呈し、弥生・古墳時代のものは正円筒形をなす。ガラス・碧玉(へきぎょく)・凝灰岩(ぎょうかいがん)などでつくられる。勾玉(まがたま)・丸玉・小玉などと組み合わせて頸飾(くびかざり)・胸飾(むねかざり)などに用いられた。


(くつわ)

 乗馬の際に馬を制御する手網(たづな)を馬口につなげる器具で、馬具のなかで最も重要な部分にあたる。馬口にかませる銜(はみ)、銜と手綱をつなぐ引手(ひって)、銜と面繫(おもがい)を結ぶ鏡板とからなる。


形象埴輪(けいしょうはにわ)

 家形埴輪・器財埴輪・動物埴輪・人物埴輪を総称したもの。円筒埴輪や朝顔形円筒埴輪以外の埴輪。


頸部(けいぶ)

 部位名称の一種。左右からくびれるように細くなった部分で、その位置が先端より、ないしは上半部にある場合、その箇所を頸部と呼ぶ。
土器などに多用される用語である。単に頸(くび・けい)とも呼ぶ。


刻書土器(こくしょどき)

 文字や記号を土器の表面に刻んで書いてる土器のこと。似ているものに墨書土器(ぼくしょどき)がある。


黒曜石(こくようせき)

 ガラス質の火山岩。多くは黒色であるが赤味の強い北海道の十勝石をはじめ、産地の違いによって灰色や赤褐色などの色調差もみられる。頁岩(けつがん)・サヌカイトと並ぶ先土器時代三大石器原料の1つで、産出地から遠く離れた遺跡からの発見例も多い。


(こしき)

 湯釜(ゆがま)にのせ穀物を蒸す調理器具。底に穴があり、麻布や簀(すのこ)を敷き、その上に穀類をのせる。弥生時代より出現。これを使用するのは鍋釜で穀類を煮る炊飯法より古い調理法。せいろはこの系統のもの。


甑形土器(こしきがたどき)

 鉢形ないし深鉢形で底面に孔(あな)をもつ土器。食物を蒸す甑として使用されたと考えられる。


古式土師器(こしきはじき)

 関東の土師器研究において、和泉式以前の古墳時代前期の土師器を漠然と指した用語。関西では布留式以前で、弥生土器畿内第5様式に続く土師器を指す傾向にある。


湖州鏡(こしゅうきょう)

 中国、宋代(そうだい)に浙江(せつこう)省湖州で鋳造(ちゅうぞう)され、背面に湖州の名を鋳出(ちゅうしゅつ)してある鏡。円形・方形・六花形などで、背面に文様のない鏡が多い。日本には平安後期・鎌倉時代に伝えられた。


古銭(こせん)

 昔の人がつかっていた、現代ではつかえない銭貨(せんか)。古銭には伝世品のほか、発掘による遺跡からの出土銭があり、年代的考察の指標となる。日本で最も古い出土銭は、漢代の五銖銭・半両銭や王莽銭の貨布や貨泉であり、西日本各地の弥生時代の遺跡から出土しているが、貨幣としての役割はないと考えられる。


古墳(こふん)

 3世紀から7世紀にかけて造られた墳丘(ふんきゅう)のある墓。墳丘墓の中でもこの時期のものを区別して古墳と呼ぶ。高塚(たかつか)ともいう。


古墳群(こふんぐん)

 一定地域内に古墳が群をなしているさま。一定地域とは、河川推計・盆地・平野の古墳分布などの広域を一括して古墳群と呼ぶ場合と、狭地域のひとまとまりの群を呼ぶ場合とがあり、必ずしも一定ではない。

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